関西支部から新住協総会in北海道へ

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関西支部から新住協総会in北海道へ

2026/10/10

新住協関西支部から

いつも活動している大阪での新住協関西支部。
研修会を実施して、いつも熱い講演、討論が繰り広げられています。
2025年の大阪、関西支部の研修会では、
ダイシンビルドさん施工の堀部安嗣さん設計の物件も見に行きました。あとは、北海道のSUDOホームさんの取り組みや、小谷さんのマンションリノベの会、長野の井野勇志さんの講義も興味深かったです。そして、久保田代表理事からのQPEX勉強会や、岐阜まで行って、キーポイントのオフグリッド事務所の見学会まで盛りだくさんでした。

新住協(新木造住宅技術研究協議会)は、「誰もが無理のない費用で、暖かく快適に暮らせる高性能住宅」を目指し、全国の工務店や設計者、研究者などが集まり、住宅技術の研究と普及に取り組む団体です。
冬は家中が暖かく、夏は少ないエネルギーで涼しく過ごせること。
そして、住む人の健康を守り、光熱費を抑えながら、長く快適に暮らせること。
その実現のために、断熱・気密・換気・暖冷房の技術を研究し、実際の住宅で得られた知識や経験を会員同士で共有しています。高性能住宅を一部の特別な住まいにするのではなく、誰もが手の届く、当たり前の住まいにしていくこと、それが新住協の大きな目的です。

今年の総会は、北海道にて

新住協総会は、1年間の総まとめ。全国の支部から集まった会員が、新住協の現在を確認し今後の進む方向性を話し合う会です。今年は全国から300人の会員が集って、今までやこれからの建築工法、デザインや費用を含めて話し合いました。

2025年に掲げたスローガンは、
「全棟Q1.0 住宅レベルー3の建設」の実現を目標に掲げて、Q1.0住宅の設計・施工技術の全体的な向上でした。
Q1.0住宅デザインマニュアルの発刊では、単に施工方法をあげるのではなく、なぜそのような工法になったのかを分かりやすく解説されています。それらの考え方を整理し、次の世代に引き継いでゆくというものでした。あとは、その計算ツールとしてのQPEXの講習、既存住宅の耐震の切り口から断熱気密リノベを考えるテーマもありました。そして、空調設計。最近の全室空調の考えをどのように達成できるのか、省エネと居心地の両面から考えてゆくものです。

2026年の重点テーマとして
引き続き、全棟Q1.0 住宅の建設を目標として、Q1.0住宅の設計施工の普及定着、物価、資材価格や人件費の上昇、住宅着工戸数の減少などの環境の中、合理的なコストで、快適性、省エネ性、デザイン性を備えた「選ばれる住宅」を実現すること。これまでの技術や研究成果を発展させ、技術を作る、から技術を広げ実際の住宅に定着させることを重点に事業を展開する、ということでした。

鎌田先生からの基調講演

これまで、高気密高断熱について研究されてきた鎌田紀彦先生。
今年の基調講演は、基礎、壁、屋根の断熱、そして、換気方法など、基本的な項目についてでした。普段、決まったやり方を続けるのではなく、こういった機会に原点に戻り再考することは、非常に大切なことです。
1,筋交いのないGWS工法への完全移行
2,基礎断熱工法から新床断熱工法へ
3,GW外壁負荷断熱工法を実践する
4,コストと熱性能的に有利な屋根断熱工法
5,Q1.0住宅レベル-3では熱交換換気は必須条件
上記の5点、高断熱・高気密住宅としての性能の根本的技術を、ここで再度わかりやすく説明しながら、また今後の目標値を指し示し、それをどうすれば実現できるか、について講演いただきました。屋根、壁、床の断熱工法について、様々な検証がされています。ここで有益なのが、コストにどう反映されるか、という点です。家づくりの中では、予算という項目は絶対条件であり、ここをどのようにクリアさせるのか、非常に大きなテーマになります。新住協では、性能、コスト、デザインについて、どれもバランスよく考えられているため、ただ単に省エネ住宅作っとけばよいではなく、それぞれの要素をバランスよく考えどのように達成できるのかを考えることができます。

工務店事例報告 武部建設さん・SUDOホームさん

まず、武部建設さんんからは、現在取り組んでおられる新社屋について発表がありました。
明治36年築の呉服屋さんの軸組みを生かし、断熱気密を両立させる、というものです。北海道の古民家を再生させる、ということで、壮大な計画を実行され、現場が進んでいました。
既存の木組構造の美しさを生かしながら、現代の省エネ性能を満たし、北海道らしいデザインを目指されています。
これは、弊社のゆっくりばこもこの考え方にかなり近くて、とても共感でき、2019年、ゆっくりばこをフルリノベーションしてよみがえらせてことが鮮やかに思い出されました。
SUDOホームさんからは、CLTパネル工法の実例が紹介されました。雪の多い北海道では、こういったパネル化された工法というのは有益で、季節にかかわらず仕事ができる環境が大切だと学びました。

そして、懇親会

今年は、基調講演が終わった後、そのまま懇親会ではありませんでした。基調講演後に、10名くらいのグループが構成されて、今回の総会であがったないようについて、グループディスカッションをする時間がありました。
私の隣が、オーガニックスタジオ新潟の相模さんが座られていて、諸々詳しく教えていただきました。
少し前に、新住協で総二階住宅の設計図や実例を募集されたことがあって、総会でも紹介されていましたが、オガスタさんの作られた25坪の総二階住宅が素晴らしく良くできていました。
建築物価やローン金利の上昇によって、なかなか新築住宅が難しくなってきても、このような高性能な小さな家は必ず需要があり、これからも設計の技術を磨いてゆけたらと思いました。

二日目は、バスツアー

私はAコースの三五工務店さんのツアーに参加させていただきました。
主には、現場の見学と、三郷VILLAの訪問で、
バスの中では、三五工務店の田中会長がこれまでの工務店経営について熱く語っていただきました。
初代社長から工務店を引き継いだ時、会社は数人の会社だったそうですが、その後住宅を中心に、衣食住の事業を展開させ、今では三郷VILLAの宿泊施設までされています。どの事業も、その地域のことや人を考えた経営手法で、皆さんもできる、あとはやるかやらないかだ、と勇気をいただきました。

また、少し時間が早かったので、現場近くの2番通り酒店さんにもお伺いさせていただきました。フランスのナチュールワインを現地から輸入されており、その建屋は魂のこもった雰囲気がありパワーがあふれていました。ほんと素晴らしかったです

日建設計 北海道オフィスさんへ

バスツアーのあとは、神奈川県のあすなろ建築工房の関根さんの紹介で、日建設計さんの社屋の見学にお伺いさせていただきました。なかなかこのような建築を拝見する機会もないので、とても刺激になりました。
関西では、西向きは西日がきついため住宅設計の中でも閉じるように考えることが多いのですが、北海道では西向き物件は人気があるとのことで、今回の社屋では西日によって日射取得を獲得し、暖房として考えることが大きな試みでした。西側に煙突のような大きな建屋があり、そこから日射取得や逆に暑いときは煙突効果によって熱を逃がすこともできます。また、普通コアプランというと、真ん中に設備やエレベーターなどが来ますが、こちらの社屋ではその逆で真ん中に居室エリア、外皮として設備などを配置されており、外皮としての役割を大きな要素としてとらえた部分もあると思いました。また、北海道産のカラマツを内装や構造体までふんだんに使いながら、地域の中で活きる建築、素敵でした。

山本亜耕さんと、北方住宅へ

今回の新住協総会で北海道に行くにあたり、山本亜耕さんに会いに南幌町を訪れました。
数年前の真冬に、南幌町をお伺いして以来の訪問でした。南幌町は、札幌から北に車で30分程度の位置にあります。その地域に分譲地を開拓し、行政と民間が一緒になって子育て世代をメインに誘致する背策をとられています。大阪から比べても安い敷地金額に、補助金として採択されるともっとお手頃に敷地が入手できます。以前は7000人だった人口が8000人になり、この政策はかなり成功しているようでした。
そして、そこで建てられているのが北方住宅という地域での工法。その工法を進められるおひとりでもある山本亜耕さんは、以前お会いした時からあこがれの方であり、性能技術、そして、デザイン、素材などどれを見ても素晴らしい住宅を設計されています。地域活性化においける住宅政策、ほんと素晴らしいと思いました。

そして、旭川・美瑛へ

もうひとつ、大切な任務がありまして。
北海道は、19歳の時に初めて訪れた第二のふるさとです。
当時は、夏はバイクでやってきて、こちらの農家さんで働かせていただいて、冬はまたその農家さんのところに行っては、スキーに行ったりと、本当にお世話になりました。もう30年も前のことなんですね。

10年前に、こんなブログを書いていました。
夏旅2016 ~ルーツを求めて~

しかし昨年、
お世話になっていた農家の主人がお亡くなりになって。
本当に学生のころからお世話になっていた方だったので、何かその事実を受け入れがたいところもあり、1年経った今、お墓参りとなりました。
美瑛で、いつも行っていた新栄の丘で、主人のご冥福をお祈りしました。

2026北海道ツアー
建築、仕事、人生、いろんな要素が絡み合った北海道で、たくさんのことを振り返りまた、
これからのことを考えることができた時間になりました。

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