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2023.07.19

新住協関西支部 研修会 会員事例

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2023年 新住協関西 第3回研修会で、会員事例発表をさせていただきました。

@大阪市立生涯学習センター 第1研修室(大阪駅前第2ビル)

 

案内はこのような感じです。第二部としましては、北海道からホーム創建の阿部さんにきていただき、講演いただきました。

 

まずは、会社紹介からです

会社を起業して、今年で10年。今年11年目に突入しました。早いもので、でもいろいろありましたが、何もないところからのスタートで、本当に周りの方々に感謝することしかないですね。

そして、私自身の自己紹介。このだんぢりキッチンを引いている写真、私にとっては、とても思い入れの強い写真です。和歌山県出身の私が、巡り巡って堺市泉北ニュータウンにたどり着き、誰でも人生のストーリーあると思うのですが、試行錯誤の中、街のためにできることをかんがえていたあの頃ですね。

 

 

そして、我らが堺市 泉北ニュータウンの紹介です。街びらきから53年経過しまして、もともとベッドタウンとして計画人口18万人として開発されたんですね、この辺りもストーリーとしては、非常に大切な部分です。

そして、人口と空き家問題が出てきますね。グラフを改めてみると、一目瞭然。少子高齢化の波が押し寄せてきてます。ただ、これは日本各地も同じで、ニュータウンが日本全体の縮図のようなかんじでしょうか。ここが、問題定義となります。

そして、泉北ニュータウンの魅力とは。農に近い地域であるとか、豊かな公園であるとか。目を向けると素晴らしい住環境なんですね。

で、この辺りから、新住協と地域とのかかわり。新住協の研修会である以上、この関係が今日の発表で重要になってくる部分です。

新住協とは、でどんな組織なのか、を再確認。

誰でも良質で安価な住宅が求められる社会環境を構築することで、地域経済の活性化に寄与することを目的としているんですね。

そして、私たちは、個々の住宅の省エネ化と、泉北ニュータウン地域を暮らすだけではなく働き、遊ぶの住環境、職住近接、地域で循環する仕組みを作ること、

これが今を生きる建築技術者としての使命であり、私たちがこの地域にある地域工務店としての存在価値なのかもしれません。

そして、最近よく聞く、SDGsでも、私たちの試みは開発目標の何点かに合致しています。

 

 

まずは、だんぢりキッチンの取り組みから。

独立して間もないころは、何もなかったですから、まちのために、とりあえずはソフトとして何かできないかを考えました。それがだんぢりキッチンです。

リアカーに、地域の食材やキッチン用具を積み込んで、皆で公園まで練りあるきます。そこでゲリラ的に繰り広げられるカレー屋さん。そこで、新しい出会いやつながりが発生できればと狙った企画です。

リアカー、実際にあったんですよね、偶然。

それで、他のプレーヤーとも協力しながら、公園を魅力的な場所にリノベーション。この時代を基礎として、今では本当に公園を愉しむ方々が増えて、お店などもだんだん増えてきています。

次に、もう少し建築寄りに、何かできないかを考えました。

考えたのは、ひとつの箱。地産地消で吉野の製材所さんに依頼して、柱梁を自分たちでプレカット。何度もリユースできるように加工しました。

公園に、この箱を置いて、コワーキングをしてみます。

他にも、たくさんのお店さんが参加して開催したイベント。泉北の魅力である公園が、盛り上がってきている様子が、よくわかります。

そして、今回のメインテーマのゆっくりばこへ。

なかもずのさかい新事業創造センター S-Cubeで、7年間、本拠としていましたが、そろそろ泉北ニュータウンに基盤を置いて活動してゆきたいと思っていました。これが2019年の初めのころのスケッチです。なにもない、ただの空想であり、妄想だったこのころ。でも、こんなんがしたい、という具体的なイメージは確実にありました。

2019年3月10日のプランスケッチ。楽しそうな家にしたいな、と一人で勝手に描いていたスケッチです。

やはり、平屋がええな、と持っていまして、ポイントは薪ストーブですね。

SNSで、不動産ないですか、と何度か投降しているうちに、知り合いの不動産屋さんから、連絡が入りまして、見に行ったのがこの古民家でした。

その時の、不動産屋さんから送られてきたプラン。スマホをスクショして送ってきてくれて、これも私にとっては思い入れのある写真ですね。

100坪の敷地、築50年の30坪の平屋が建っていました。ちょうど泉北ニュータウンが、開発されたころに新築されたのでしょう。

思い切って、この中古物件を購入して、リノベすることにしました。

耐震、断熱、気密の性能向上リノベーション。耐震は堺市耐震補助金を取得。また、ZEH化し、新住協関西支部、グリーン化補助金のリノベZEH補助金申請をさせていただいています。

屋根の軽量化は、1期工事ではそこまでお金が回らなかったので、2期工事で実施しました。そうすることで、耐震評価もかなり上がりました。

QPEXです。外皮性能UA値は0.34、Q値は、1.44という性能で、淳.0住宅レベルのQ1住宅です。BELSも申請して、105%削減のZEH住宅です。

陽当たりのシミュレーションも確認しています。気づいたのは、昔の日本家屋は、本当によく考えて設計されているということ。昔ながらのパッシブハウスですね。夏の日差しは遮り、冬はたくさん取り入れる。自然のエネルギーをどのように扱うのか、非常に大切な部分です。

それぞれ、デザイン的に目指した部分の紹介です。

こうして、ゆっくりばこ 地域拠点が完成しました。

大阪府堺市、泉北ニュータウン。もともとはベッドタウンとして50年前に開発されました。周りには田園風景や美しい公園が広がり、住環境としては抜群ではあるが、少子高齢化の影響もあり空き家が増えつつあります。活性化のためにはこの場所の魅力を共有し、ベッドタウンとしてだけではなく、人が『暮らし』『遊び』『働ける』環境づくりが必要だと考えました。

 

平成25年に独立開業以来、公園を舞台に泉北産野菜を使ったカレーの店を出したりしながら魅力を発信してきましたが、今度は家をベースに「住み開く」ことで、地域の方に使っていただき、地域循環・活性化の一端を担えたらと計画しました。

 

令和元年9月に中古住宅付き土地を入手。冠婚葬祭まで家で対応できたシンプルな田の字型プランを現代にアレンジ。地域拠点『ゆっくりばこ』と名付けました。厨房スペースがあり、飲食営業と菓子製造業の許可も取得済みなので、飲食店や菓子店などを小さく始めたい人や、パン教室・料理教室などをやってみたい人のチャレンジの場としても利用可。20畳ほどのリビングスペースはヨガ教室などにも使用されています。平日の9時〜16時、1日500円でWi-Fiと電源が使えるコワーキングスペースとしてもオープンしています。

地域の設計事務所・工務店として、どうあるべきかを私たち自身、または会社として考えてきました。大切なのは、個々の家のデザインや性能がどうあるべきかという建築的ハードと、その家から広がる『暮らしのあり方』を提案すべきではないかということ。

築50年の家を、日本建築が元来持つパッシブハウスとしての性能を活かしながら、耐震・断熱・省エネの現代の高性能技術を施し、サービス機能付きのZEH住宅として蘇らせる設計・施工技術を見て、体感していただくと同時に、このコロナ禍の中、地域で豊かに暮らすには…の視点で、これからの『持続可能な暮らしのあり方』を模索するきっかけとしていただけたら嬉しいです。

 

ちょうど、コロナがやってくる直前に、工事着工したゆっくりばこ。あの時は、まさかあんな時代が存在するとは、想像もつきませんでしたが…

でも、この3年間、「家」での暮らし方、「人」とのかかわり方、について、みんな考えた時間だったのではないでしょうか。

そんな3年が過ぎ、先日、サウナイベントを開きました。

庭に、テントサウナを設置。

遠くからのお客様も来ていただいてましたので、これまでの、泉北での活動を紹介させていただきました。

この日のシェアキッチン厨房には、地域のカレー屋さんと、ジェラート屋さん。

チキンと、エビのカレー、あいがけです。

もう、それは絶品でした。

で、そんな食事を囲って、地域のプレーヤーさんと情報交換、語り合います。

なんともいえない、家感。

私が目指したのは、これ、なんでしょうね。

最後に、

ニュータウンのはずれ、雑木林の小道を入ってゆくと、

そこは人々が偶然出会える場であり、

『特別でない 普通の暮らし』を提案する場所。

住むと働くが一緒になった豊かさ、『ゆっくり』であることの心地よさを感じてください

 

憧れ、目指したのは映画“人生フルーツ“の

津端修一さん・英子さん夫妻の来し方と暮らし。

本当の豊かさとはを考えるきっかけをいただいた

お2人への感謝と敬意を込めて。

 

 

これまで、新住協さんでは、入会させていただいてから、断熱気密の施工方法、エネルギー計算など、勉強させていただき、
現在堺市を拠点に、私たちが取り組む家づくりの断熱気密工法は、新住協さんの教えによるものです。
最初は、どのようにするのか、迷うこともありましたが、勉強と実践を重ねるたびに、自分たちのものになってきた感じもします。
また、大切なのは、自分たちの断熱気密、エネルギー計算の物差しを持つこと。
基本性能は徹底し、あとは、プランや仕様、予算によってお施主様に提案できる力を持つことが大切だと考えています。
 
今回、題目として「地域とのかかわり」というヒントをいただきました。
個々の住宅を高性能化する一方、住環境や、その地域が豊かに活性化し、住まい手がこれからの持続可能な地域社会にあった住空間を得られる手助けができればと思っています。
少し、大きなテーマかもしれませんが、今を生きる建築技術者として、挑戦してゆきたいと思います。
 

 

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