8. 岐阜森林アカデミー 木造建築病理学『住宅医ネットワーク』
〈平成27年〉
まだリノベーションという言葉もそう聞かなかった10年ほど前、その頃開講した岐阜県立森林文化アカデミーで「木造建築病理学」講座を受講しました。それほど中古住宅が注目されている頃ではなかったかもしれませんが、これからはスクラップアンドビルドではなく、いまある建築をどう活かすのかがテーマになると確信していたからです。また、そんな世界がその頃から好きでした。
この「木造建築病理学」は、今では住宅医ネットワークと名を変え、建築再生の調査・診断や改修設計・施工の技術を実践的に学ぶということで住宅医スクールとして開講しています。
そこでは、耐久性能と維持管理、木材の劣化、耐震、温熱・省エネルギー、など、現在は24の講義を基本としていて、スクールを通じて、地域の住まいのドクターである「住宅医」を、より多く育成することを目的としています。
そして、そのスクール内では、住宅医修了生を対象に、毎年1回、実施物件のプレゼンテーションによる住宅医検定会を開催され、机上の知識だけでなく、依頼からリフォーム完了までの住宅医としての実践力を、スクールの講師及び受講生により総合的に判定し、合格者を「住宅医」として認定しています。
そして、検定会で発表させていただいた物件は、昨年相方と仕事した大阪狭山の家リノベーション工事。
既存物件を調査し、耐震、断熱はもちろん、いろんな方向から検討計画された物件でお家です。
今回は、全面改修ではなく、1階のメインの居室、水廻りのリノベーションでしたが、今後このような要望が多いのでは、と感じたお家でした。