鈴鹿サーキットな職住一体三世代住宅新築工事
一番最初に、敷地を見せていただいたとき、
ん~、なかなか難しい敷地という感想をもった。
前面道路が狭く、また敷地面積的にも、要望されている内容を考えると、容積率、建蔽率、そして、斜線関係いずれもかなり厳しい、そんなことを考えた。
敷地環境は抜群で、市街地の中心地にあり、例えば大阪市内までの通勤を考えたときにでも、とても便利な環境である。
プランと法規制の折衝を同時に進めてゆく。
もう、ギリギリのラインを攻める感じ。
まずは、市の開発事業の手続きから。
今回の計画は、中規模開発事業にあたり、確認申請に行くまでにも、かなり長い道のり。
事前協議書の提出から始まり、開発計画標識を設置し、現場周辺の開発計画周辺説明、意見書、見解書のやり取りまで。
それらを通過してから、建築基準法の確認申請が始まる。
また、鉄骨3階建てになるため、構造計算上適合判定を受けるか否かの瀬戸際で、意匠上の制約と共に進めていった。
なんとか、申請関係をクリアし、いよいよ現状の建物を解体する日がやってきた。
既存の文化住宅は、なんと、東京オリンピックの時に建てられたものとのこと。
当然ではあるが、次の東京オリンピックの準備やっている頃に、子孫が事業と住宅建設のために、建て替えようとしている、なんてことは、想像もされていなかったであろう。
先祖から引き継がれる敷地、それを大切にしたいという施主様。
解体を進めるのを見ていて、また、こちらが力入ってきた。
お疲れ様でした。
そう、声をかけたくなる建築。
解体の直前に、気持ちを込めて、シャッターを切る。
何人の方が、ここで暮らされていたのだろう。
そして、その人の数だけのストーリーや、ドラマが、ここから生まれ、ここを起点に展開してきた。
そのドラマの舞台となった、文化住宅。
おそらく、施主様にとっても思い入れが強いであろう。
まさに、昭和の時代。
懐かしいものも多くみられる。
解体はつづき、
ひとつの建築がなくなると、そのまちの風景も変わり、
新しい建物を建てる敷地、
その姿を現した。
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