始の棲家 リノベーション工事 大工造作
現場は、大工さんの造作工事の追い込みに入る。
内部工事、外部工事の両方から造作完了工事の目標に向けて走る体制に。
もともと広かった玄関に、建具の鴨居がつけられる。
そして、洗面所の方にも、収納と兼用の鴨居が。
当然、開きではなく引き戸。開けて置いたり、閉めた状態では、間仕切りとして、可変住宅の基本。
浴室もだんだんと出来てきた。
今回は、ハーフユニットバス。
浴槽部分の下だけユニットバスの上部壁は、無垢材を貼って仕上げる予定。
リビングに入ると、窓の輪郭がはっきり出てきて、光の入り方がわかるようになる。
そこから、どのような景色がみえるのか、部屋としてどんな雰囲気になるのか、イメージしていたものが実際にみえてくる。
耐震補強がメインにあるので、構造的に縛られる部分はあるが、それなりに検証してきた。
最初から、お施主様が言われていたとても暗いという部屋。
どう光をとりいれるかが大きなポイントになっていた。
方角、時刻によって、また隣家がどのように影響してくるかを考え、そしてここから家具デザインにどのように結び付けてゆくか。
まだ、キッチンや家具が置かれていないので、はっきりはわからないが、LDKの全景。
ここからの見た感じは、出来上がった時にどう見えるのか、楽しみな場所。
このLDK空間の幅は、設計時から注意してみていた。
今回、収納や水回りを充実させるため、このLDK空間の幅が1コマ(910)小さくなっていた。
狭い部屋の天井高さが高いと、逆に狭い感じになってしまうので、あまり天井高さを上げたくなかった。
構造補強の梁が大きかったこともあり、結果リビングより少し天井を下げることに。
縦に長い空間であったため、リビングとしては部屋としての溜まりをつくり、ダイニングキッチンとしては、天井を下げ縦空間のバランスをとることにした。
そんなとき、
「西さん、ええ椅子あるんやけど、見てくれへん!?」
と施主さま。
近くの喫茶店で、ものすごい据わり心地の良い椅子があるとのこと。
設計段階に、ソファーや椅子、テーブルは想定して図面には配置してゆくが、まだ実際にどんなものを購入して置くかを決めていなかった。お施主さまの好みで置いてもらったらと思うが、その検討案を見ることができるチャンス。
早速、現場打ち合わせ完了後に、お店にお伺いする。
ロケーション最高。店の前は、海。
その名も、『ボンクラコーヒー』さんです。
店内の内装には、こだわられていて、あちらこちらにお気に入りの家具、テーブルが並べられている。
お施主さまが言われていた椅子にも座ってみる。
しっくりきて、座りやすい椅子たち。
こんな椅子が、あのデスクに置かれてたら、かっこいいだろうな。
ボンクラさん、もちろん椅子だけではありません。
ほとんどが、オーガニック仕様で、食事、飲み物のすべてがお店で丁寧に造られていた。
このオーガニックジンジャーエールなんて最高で、オーガニックキャロットも最高においしかった。
そして、カレー!!!
最初、ランチに来た時に、食べて以来ファンになってしまった。
お施主さまとランチにきて、色々と現場のことを話すも、私ひとり、このカレーおいしいですね、と何連発もしてしまった記憶があり…
カレー好きに私には、なんともいえない味でした。
こうして、現場造作工事も進み、家具の検討も始まった。
そして、定例の前後のボンクラコーヒーも挟みながら。
現場が動いていて、私は私で、設計段階に考えていたことがどのようになってゆくのか、現場で確認することはあり、そのことは監理上当然重要なこと。
もうひとつ大切なこと。
今まで、打ち合わせをしながら設計を進めてきて、現場が動き、お施主さまがそれを見て、どのように思い、感じているのか。
この視点というのは、建築を仕事にしているかどうかによって違う部分もあるが、それ以前に人によって違う部分。
でも、それはコミュニケーションしてみないとわからない。
また、現場のどの部分が気になったのか、という具体的な話から出てくることもあれば、何気ない普段の会話から出てくることもあり。
そんな思いもあって、ここボンクラさんでのちょっとしたやりとりなんかが、ほんと大切なように思い、
現場は、竣工をめざす。
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