ラーメンと建築と、人。
この、クソ暑いのに、
食べたくなるラーメンって。
期間限定の塩。
いつものしょうゆ、そして冬の期間限定の味噌、この夏の塩。
どれをとっても、最高な味。
元々、通りがかりで、変わったラーメン屋さんあるなって入ったお店。看板に手書きで、無化調ラーメンの文字。営業っぽい感じは一切なく、店に入っても、よく似たお兄さん2人、おそらく兄弟で切り盛りされているお店でした。
食べてみると、それはそれはおいしくて、これまで食べたことのないラーメンの味がした。そんなこんなで、ラーメンが食べたい時は、いさおさんに駆けつけて、ラーメンと同様、おふたりの飾りのないお人柄に会うのが楽しみでファンになった。こんな人は、おそらく珍しくないと思い、良いものには人が集まってくると思っていた。
そして、先日、クソ暑い日に、ラーメン食べたい、期間限定の塩が食べたいということで、ラストオーダーギリギリに滑り込みセーフ。案の定、おいしい塩をいただいていると、1人のお客さんが。でも、ラストオーダー終わりということで、帰られたのだが、そのお客さんが帰り際に、「このお店って、もうすぐ閉店なんでよね?」と。
えー!、そうなん!ってびっくりして、店主に聞くとそのような事態になっているとのこと。話を聞くと、原料原価が上がりすぎてしまい、コストパフォーマンス的にも限界が来てしまって、これ以上やっても意味がないと判断されたようだった。閉店の告知もされているようで、それを見たお客さんが、行列になることもあるそうだった。
とっても、残念。
残念だと思った、
残念だとは思ったけど、
閉店までの間、できるだけ多く来たいとは思わなかった。
よくよく考えてみると、
もちろん、そのラーメンが好きで、その出汁の効いたスープが好きで、喉越しの良い、ちょうど良い麺がたまらなく好きで、何かええことがあった日には、ちょっと頑張った日には、自分へのご褒美として、いさおさんに来るのが楽しみだった。
だけど、それだけではなかった。
やはり、ご兄弟の力を合わせて作ったラーメンを食べたい、店主が自慢げにスープや麺を語るその間が好きで、大手チェーンにはない温かさが好きで、その頑張りは、自分自身が小さくても、丁寧にものづくりに励みたいと日々考えていることと通づるところがあるような気がして。応援したいなって想いが強くあって、これまでお店に行ってたのかもしれない。
そんなお店が、なくなってしまうと聞いて、ものすごく悲しく思うのですが、でもその終わり方も、何か潔くて、店主らしいなってわかるような気がして。
建築でも、そうなんですが、
やはり人。
そのものも大切だけど、そのプロセスや、考えたり、作ったりしている人、今の自分の仕事を考えながら、そんなことを実感した一杯の塩ラーメン。
お店閉店まで、もうあとわずか。これからラストスパートかもしれませんが、最高のゴールを切られることを、願って。