インターン生がいた夏。
インターン生がいた夏。
夏が始まろうとしていたある日、事務所のホームページの問い合わせに、メッセージが入りました。
それは、大阪市立大学大学院工学研究科の大学院生からでした。
現在大学院で、インターンシップに参加する授業を履修していて、うちの事務所にインターンシップに参加したい、ということでした。
ニュータウンで生まれ育ち、その行く末に関して危機感をもっており、修士論文でも「ニュータウンの原風景」について取り組んでおります。貴事務所が取り組まれている、街の資産を活かしたリノベーションや「だんぢりキッチン」などハード・ソフト問わずニュータウンの暮らしを豊かにする活動に非常に共感しております、と。かなり話が具体的で、真剣なので、一度お話しましょうか、という流れになりました。
今までインターンシップって、来ていただいたことなく、でも小学生が1日職業体験に来たことがあって、今回もそんなノリなんかな、という感じでした。ただ、学生さんが貴重な時間を使ってきていただけるんで、なんか経験してもらえたら、と思っていたんです。
そして、いざ面接、ということで、インターンの内容をお伺いする機会。
その、インターンに参加する授業内容を記載した書類を見せていただいたのですが、
「インターンシップ Ⅰ(意匠)」という科目で、授業内容、授業科目がぎっしり書いてあって…
えー、これかなりヘビーな感じ…。
そして、実習時間が、『140時間』!!
すかさず学生さんに、
「いや、うちでほんまにええんかな、もいっかいゼミの先生に、僕とこのホームページちゃんと見せて、ほんまにここでええんか聞いてみたほうがええんちがう…」とお願いしました。
すると、数日後、「すごくいいと思うとおっしゃってました」と。(ほんまかい)
そうか、そやったら、やってみよか、ということで、インターン生に来ていただくことになりました。
まず、インターンの前に、学生さんに確認したかった事を事前にメールを送りました。
〇インターンシップ希望作業
〇インターンシップを経てどうなりたいか?インターンシップで何を勉強したいか?
〇今後ニュータウンで何をしたいか
〇今回の就職先を選んだ理由
〇就職してからどのような仕事をしたいか?
〇得意なこと
〇将来の目標
以上の質問票を作成して、学生さんに書いてもらいました。
こちらも、どうせ、させていただくんなら、学生さんの良い経験になれば、と強く思いました。
質問のお返事は、ぎっしり、将来に対する夢や目標にあふれていました。
そんなこんなで、インターン生との140時間が始まったのです。
8月から、9月まで、来ていただくスケジュールを立て、こちらもあまり余裕なかったのですが、できることをやっていただきました。
模型作りから、図面作成、図面も僕の事務所で使っているCADは使ったことなかったのですが、それを一から勉強して、使えるようになりました。
毎日、毎日、本当にまじめに、本当に頑張ってくれました。
イベントにも参加。
まずは、『だんぢりキッチンin 東吉野オフィスキャンプ』
このイベントでは、東吉野まで行って、サウナとカレーを楽しむというもの。
しっかりカレーも作ってもらいました。
現場も一緒に見ました。
ちょうど上棟現場があり、一日張り付いて。
無事、上棟。
泉北の取り組みの取材があったので、同行してもらったり。
毎年、泉北リノベーション協議会で行われる子供リノベ学校に参加してもらって、手伝ってもらいました。
この夏の間、インターンに来てもらって、いろいろ手伝ってもらって、
一緒にはたらくって、こちらも責任感を感じることが多く、プレッシャーになったものの、
もしかしたら、良い経験をさせてもらったのは、こちらの方かもしれません。
ありがとうございました。
インターン、最終日に描いてもらったイラストを見ながら、
僕自身も、学生のころから、いろんな人に会って、助けてもらって、今こうしてあるんだと思います。
人になにかを教えるとか、できないかもしれないけど、何か若い人たちに少しでも役に立てればと、
しかし、もうそんな年代になってきたんか、と(自分はまだまだ若いつもりですが)
そして、今年も、夏が終わりました。