ウッドロングエコを塗ってみました。
ウッドロングエコとは屋外に使う木材へ塗る防護保持剤です。
粉末の製品なんですが、水で溶いたウッドロングエコ水溶液を木材に塗布することで、木の表面や断面から腐朽菌を入りにくくする表面処理用の水性木材防護保持剤(屋外用)です。湿潤の繰りかえしにより、木の表面にウッドロングエコの成分が浸透するので、一度塗れば後々の再塗装は基本的に不要です。原材料は、酸化鉄・樹皮・ハーブなどの天然成分由来のみなので、土壌汚染・水質汚染を起こしません。また、ウッドロングエコを塗布した木材が最終的には、土へ還る、焼却しても害を出さないという、これからの循環型社会に適切な塗装剤だと考えています。
ウッドロングエコは屋外用となっていますが、ホルムアルデヒド試験を受けた結果、内装に使用しても制限なく使えます。
自然素材に塗布する塗料として、様々な種類の塗料がありますが、長持ちで、環境、人体に優しく、また、色合い、経年劣化が美しく、木の本来の美しさを活かすことのできる塗布材だと考えています。
過去に、施工させていただいた物件では、堺市檜尾の新築住宅があります。
堺市檜尾の現場では、杉材を横に貼りました。
今回、堺市高倉台の現場でウッドロングエコを採用させていただき、現場にて水槽浸けによる塗装を行いました。
浸けるための容器はボードで枠を作り防水シートを被せたもので、大工さんに作ってもらいました。
刷毛塗でもできるようなんですが、むらなく塗装するためには、このように漬け塗りの方が、効率よく塗装できるように考えました。
ウッドロングエコ100グラムに対し水が19リットルで水溶液を作り板を浸していきます。今回、100グラムの製品を2個使用しました。
同じ秒数ずつムラにならないように浸しました。特に小口の部分は気泡が多くできてしまうので、あらかじめ材料を拭いた後、浸しているときも気泡が残っていないか注意しながら行いました。
十分に浸した後、板同士が被さらないように3日ほど雨が当たらない場所で乾燥させました。この乾燥させるための台も大工さんが作ってくれました。乾燥させた後は自然的で少し灰色がかったような色味でした。
今回主に手袋を着用して作業を行いましたが、液が手に付く事がありました。ですが、特に手が荒れることもなくせっけんでよく洗えば鉄のような匂いもすぐに落ちました。
水槽浸けにすることで、刷毛塗りより色ムラが少なく時間も短縮されるので、長くて大きな面積の材料を塗装する場合は水槽浸けが向いていると思いました。
乾燥後、後日、いざ板張り施工!大工さんは、瀧澤大工さんです。
私たちがウッドロングで塗装した杉板を、一枚、一枚、丁寧に張り付けてゆかれます。
一枚一枚の木の表情が異なります。でも、これが自然素材なんです。工場で、人工的に製造された新建材ではなく、一枚一枚の個性があり、そのふぞろいな見え方まで、じーっと見ていると愛着がわいてきます。
それぞれの木の色味や特性を大事にしつつ、劣化を防ぐ塗料で木材本来のような暖かみを感じました。
自然的で周囲となじみ風情のある家が出来上がると思います。
これから、ますます楽しみな現場です。
小坂 美緒