2021.07.30
9. 小さな家
新築工事においても、お施主様のニーズに合ったものを考え実現できました。
『小さな家』と名付けられた、夫婦2人だけの家。
「もう、なんでもいいんで。津波の避難用の家だから。」
ふたりで洋食屋さんを営まれ、将来の津波に備え、いまある串本町の家とは別に家を建てたいということ。
夫婦二人のための小さな家のお話がはじまった。
どんな家にするか。敷地調査、プラン、打ち合わせを重ねる。
ちょうどよい敷地に、必要最低限の部屋、設備を考えた機能的なプラン。
予算についても、できるだけ安くできるように、使うものを吟味した。
基礎工事も完了し、いよいよ上棟をひかえたころ、「ちょっと色を塗ってみました!こんなんでどうですかね?」
そこには、絵具で塗られた外観図面。
近所の文房具屋さんで、絵具を購入し調色しているのを想像すると、避難用から終の棲家に変わり、仲良く計画するご夫婦が少しうらやましくも感じ、ええもんにしたい気持ちが、もっと強くなった。
12坪の平屋です。ふたりにはちょうどよい大きさ。
でもこんな家、いいなと思うし、またある意味これからの家ではなかろうか、とも思う。
小さいけれど、機能的で、可変性があり、しっかり施主さんの思いが詰まった家。
そんな小さな家ができました。